#10 「夢」—Type with fury!! 名探偵ポワロ
The Dream (19 March 1989)
Hercule Poirot: DAVID SUCHET
Captain Hastings: HUGH FRASER
Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON
Miss Lemon: PAULINE MORAN
ミス・レモンが衝撃の事実を話してくれました。体の中に強い磁力があるんですって。腕時計が壊れるくらいの磁力が。サラッというから危うく聞き流しちゃうところでした。たしかに独特の雰囲気だなって思ってはいたけど、フィジカルが独特だったなんて。なにがどうなったら体から磁気が出るようになるんでしょうか。
閃きの真っ最中だったポワロさんはミス・レモンの告白なんて聞いちゃいませんでした。投げキッスとかしてる場合じゃないですよ。ちゃんと人の話を聞かないと。ヘイスティングスは「驚いたな」ってビビッドに反応してました。そういうところが好印象。素直というか聞き上手というか、相手をしっかり受け止めるんだよなあ。
このページは名探偵ポワロ「夢」を観た方に向けて書かれていて、事件の核心、犯人、動機、結末、オチ、ギャグなどに触れます。ですのでドラマ本編をご覧になったあとにお読みください。
このブログがはじめての方は 「ポワロと灰色の脳細胞」について からぜひ。
あらすじや解説はこちらでどうぞ。
●名探偵ポワロ徹底解説
●「名探偵ポワロ」データベース
●旅行鞄にクリスティ
市長がオンにした巨大スイッチ、異様に幅広な3列のベルトコンベア、高層ビルの主柱と見紛うほどの極太なパイプ、なにを計ってるのかよくわからないでっかいメーター類…。すべてが肥大化しているファーリーズ・クオリティ・フーズの新築パイ工場は、荒唐無稽なディストピア感がチャップリンの映画「モダン・タイムス」(1936)の工場とそっくりでした。資本主義、大量生産が加速して労働者が歯車として雑に扱われた時代を描くなら、「モダン・タイムス」をモチーフにするのは最適解のひとつだと思います。
工場の外観はみなさん見てすぐにピンときたはず。前話「クラブのキング」のパレード・スタジオと同じ建物です。2話分をいっぺんに撮影したんですね。 Grade IIに指定されているフーバー・ビルディングという建物で、元は掃除機工場、いまは大型スーパーだそうです。詳細は Wikipedia と Google Maps でどうぞ。日本の郊外にあるイオンみたいなノリみたいですね。それが国の指定建造物ってすごい。
ファーリー社長の娘ジョアンナがセレモニーを抜け出して屠畜場を通ったときに、排水溝に流れ込む豚の血が思わせぶりだったんでめちゃくちゃ身構えました。“人間が家畜のように惨殺される血みどろ悲劇”の暗示か?って。実際にそんなことが起きなくてほんとによかった。あの血のクローズアップは単に“死の予感”を表現しただけだったんですね。んもぅ、ビビらせんなよー。
前にもご紹介しましたが、罪を暴かれた犯人が切羽詰まって走って逃げ出すのは謎解き直後の王道パターンです。コーンワージーは王道中の王道でしたね。階段落ち、バイクとの追走劇、取っ組み合いまでやってくれました。ごろん、ごろん。どたん、ばたん。あいたたた〜。動きがすげえゆっくりで緊迫感は皆無でしたけどね。「名探偵ポワロ」にはあれくらいのほのぼのアクションがちょうどいいと思います。スピーディで迫力ある格闘シーンとか、誰も求めてないでしょ?
もうひとつ、罪がバレた途端に犯人の態度が豹変して口が超悪くなる、っていう王道パターンもあります。ファーリー夫人はポワロさんに向かって「なによ、外国人が!」と、2020年代では完璧アウトな悪態をついてました。今回は犯人カップルがそれぞれに王道パターンを披露してくれたからお得でしたね。ポワロさんは夫人の「ベネディクトは自殺する夢を見て苦しんでいた」という証言を嘘と見抜き、そこから夫人とコーンワージーが結託していて、しかも不倫関係にあることまで言い当てました。犯行の動機を解明する上でとても重要なこの事実を、たったひとつの嘘を手がかりに導きだしたポワロさんの推理力は超人的です。ポワロさんはどんな事件でも必ず、犯行の方法だけでなく犯人の動機やバックグラウンドまで、すべて明らかにして謎は一切残しません。それがポワロさんが20世紀最高の探偵と呼ばれる理由です。
探偵としては天才のポワロさんですが、社会生活は難ありの困ったおじさんといわざるを得ません。ミス・レモンが半年間も訴えていたことをまったく覚えてない上に、それをちょっと指摘したら「2人でポワロをいじめるんですか!」と被害者意識を炸裂させる始末。灰色の脳細胞はどういう思考プロセスでそんな結論を導き出したんでしょう。理解できません。
エピローグの時計プレゼントは爆笑でしたね。ポワロさんもミス・レモンも2人を見守るヘイスティングスも、言葉は最小限に表情で語るのが最高におかしい。包みを胸に抱いて帰ってくるポワロさんとそれを待ち受けるミス・レモンはニッコニコです。包みのひもをナイフで切る瞬間、2人の期待と興奮はピークに達しました。そしてポワロさんによる渾身の「ボワラ♡」
「ボワラ♡」じゃねえよ。まじで。あらためて見直してみたらヘイスティングスまで「わあ!よかったですねミス・レモン」的なメデテエ顔で微笑んでるんでまた笑っちゃいました。お前は気づけよ、ヘイスティングス。「ソレガホシカッタンデス」と、なんとか言葉を振り絞るミス・レモンが不憫でなりません。きっと意識が遠のいたでしょうね。タイプライターのことは「我慢の限界を超えてます!」っていってたけど、愚鈍なポワロさんのことは我慢し続けてるってどんだけ優しいんでしょう。現代に生きる聖母でしょうか。で、一方のポワロさんは鼻歌まじりに「私は自分の部下に理解がありすぎます」とご満悦。…なんかもう…言葉が出ないよポワロさん。
チェーンはポワロさんのおへそのあたりを中心にしてW字型に分かれています。ふたつあるチェーンの端の片方には懐中時計がつながれていて、ポワロさんはいつもそれをベストの右ポッケに入れています。 もう片方は左ポッケに収まっていますが、その先になにを付けているかが謎なんです。小銭入れ?ライター?もう1個の懐中時計?それとも見た目重視で実はなにも付けてない?すーっごく気になっております。
今回のポワロさんのお召し物はほぼ全編を通してグレーの三つ揃えでした。でもずっと同じスーツだったわけではありません。色味のよく似た、平織りのものと綾織りのものとを交互にお召し替えになってたんです。ベストもそれぞれにシングルとダブルで、シルエットが違います。そんな細かい技まで使うんですかポワロさん。おしゃれが達者すぎやしませんか。
髭のお手入れをする貴重なシーンが見られたのも今回の収穫でした。いつもあの小さい櫛と小さいハサミで整えて美しいシルエットを保ってるんですね。
パイ工場の女性のユニフォームがかわいらしいのが驚きでした。白と青で清潔感もあります。末端労働者の服のデザインに目を配るファーリー社長、振る舞いは不愉快だし拝金主義者っぽかったけど、実は社員思いの優しいおじさんだったのかもしれませんね。合掌。
自殺事件の捜査依頼はジャップ警部からでした。なので報酬はスコットランド・ヤードから支払われるわずかな額でしょう。ただ事件が解決したいま、ジョアンナからの謝礼も期待できるんじゃないかと思います。彼女にしてみれば自身の潔白を証明してくれて、とんでもない悪事を働いた身内をあぶり出してくれたポワロさんに感謝しているはずです。ジョアンナはファーリー社長の莫大な遺産を相続したわけですから、もしかするとうれしい心付けがあるかもしれませんね。
Hercule Poirot: DAVID SUCHET
Captain Hastings: HUGH FRASER
Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON
Miss Lemon: PAULINE MORAN
ミス・レモンが衝撃の事実を話してくれました。体の中に強い磁力があるんですって。腕時計が壊れるくらいの磁力が。サラッというから危うく聞き流しちゃうところでした。たしかに独特の雰囲気だなって思ってはいたけど、フィジカルが独特だったなんて。なにがどうなったら体から磁気が出るようになるんでしょうか。
閃きの真っ最中だったポワロさんはミス・レモンの告白なんて聞いちゃいませんでした。投げキッスとかしてる場合じゃないですよ。ちゃんと人の話を聞かないと。ヘイスティングスは「驚いたな」ってビビッドに反応してました。そういうところが好印象。素直というか聞き上手というか、相手をしっかり受け止めるんだよなあ。
このページは名探偵ポワロ「夢」を観た方に向けて書かれていて、事件の核心、犯人、動機、結末、オチ、ギャグなどに触れます。ですのでドラマ本編をご覧になったあとにお読みください。
このブログがはじめての方は 「ポワロと灰色の脳細胞」について からぜひ。
あらすじや解説はこちらでどうぞ。
●名探偵ポワロ徹底解説
●「名探偵ポワロ」データベース
●旅行鞄にクリスティ
Britich Pies Lead the World
白黒フィルムのニュース映像から物語本編の映像にクロスフェードしてフワッと画面に色がつくオープニングは、このシリーズでときどき見られる演出ですね。体が一気に1930年代に吸い込まれるような感じがすごく好きです。冒頭にPathé Gazetteのロゴが出たんで、元ネタの映像があるかもと思ってYouTubeの British Pathé を漁ってみたんだけど、見つけられませんでした。いかんせん量が多いんであきらめちゃいましたが、根気よく探せば出てくるかもしれません。市長がオンにした巨大スイッチ、異様に幅広な3列のベルトコンベア、高層ビルの主柱と見紛うほどの極太なパイプ、なにを計ってるのかよくわからないでっかいメーター類…。すべてが肥大化しているファーリーズ・クオリティ・フーズの新築パイ工場は、荒唐無稽なディストピア感がチャップリンの映画「モダン・タイムス」(1936)の工場とそっくりでした。資本主義、大量生産が加速して労働者が歯車として雑に扱われた時代を描くなら、「モダン・タイムス」をモチーフにするのは最適解のひとつだと思います。
工場の外観はみなさん見てすぐにピンときたはず。前話「クラブのキング」のパレード・スタジオと同じ建物です。2話分をいっぺんに撮影したんですね。 Grade IIに指定されているフーバー・ビルディングという建物で、元は掃除機工場、いまは大型スーパーだそうです。詳細は Wikipedia と Google Maps でどうぞ。日本の郊外にあるイオンみたいなノリみたいですね。それが国の指定建造物ってすごい。
ファーリー社長の娘ジョアンナがセレモニーを抜け出して屠畜場を通ったときに、排水溝に流れ込む豚の血が思わせぶりだったんでめちゃくちゃ身構えました。“人間が家畜のように惨殺される血みどろ悲劇”の暗示か?って。実際にそんなことが起きなくてほんとによかった。あの血のクローズアップは単に“死の予感”を表現しただけだったんですね。んもぅ、ビビらせんなよー。
楽しい殺人アイディア、楽しい犯行推理
よくこんなトリック思いつくなあ、クリスティの想像力はすごいなあ、と感心してしまうエピソードでした。殺人事件を幻惑するために“自分の見る夢に殺される男”っていう奇怪なイメージを前もって印象づけるのがニクいです。それにしてもポワロさんとの秘書室会見は不審すぎるでしょ。あんなに強い光で顔が見えないようにしたら「実は僕は本物のファーリー社長じゃありません。そして僕はこれから悪いことします」って宣言してるようなもんです。どんなに殺害方法が独創的で秀逸でも、あんなことしちゃ疑われるのは当然です。秘書のコーンワージーは、自殺の夢で社長の精神異常を偽装するとか、自分が変装して社長になりきるとか、誰も知らない社長の習慣を上手く利用して狙撃するとか、楽しいアイディアに溺れちゃた感があります。もうちょっと冷静に計画を煮詰めればよかったのに。あとやっぱり犯罪を成功させるためにポワロさんを利用するのはやめた方がいいですね。ポワロさんには絶対見破られちゃいますから。前にもご紹介しましたが、罪を暴かれた犯人が切羽詰まって走って逃げ出すのは謎解き直後の王道パターンです。コーンワージーは王道中の王道でしたね。階段落ち、バイクとの追走劇、取っ組み合いまでやってくれました。ごろん、ごろん。どたん、ばたん。あいたたた〜。動きがすげえゆっくりで緊迫感は皆無でしたけどね。「名探偵ポワロ」にはあれくらいのほのぼのアクションがちょうどいいと思います。スピーディで迫力ある格闘シーンとか、誰も求めてないでしょ?
もうひとつ、罪がバレた途端に犯人の態度が豹変して口が超悪くなる、っていう王道パターンもあります。ファーリー夫人はポワロさんに向かって「なによ、外国人が!」と、2020年代では完璧アウトな悪態をついてました。今回は犯人カップルがそれぞれに王道パターンを披露してくれたからお得でしたね。ポワロさんは夫人の「ベネディクトは自殺する夢を見て苦しんでいた」という証言を嘘と見抜き、そこから夫人とコーンワージーが結託していて、しかも不倫関係にあることまで言い当てました。犯行の動機を解明する上でとても重要なこの事実を、たったひとつの嘘を手がかりに導きだしたポワロさんの推理力は超人的です。ポワロさんはどんな事件でも必ず、犯行の方法だけでなく犯人の動機やバックグラウンドまで、すべて明らかにして謎は一切残しません。それがポワロさんが20世紀最高の探偵と呼ばれる理由です。
私、幸せなどいりません!ただ新しい…
…タイプライターを買っていただきたいんです!っていいたかったんだよね、ミス・レモン。でもポワロさんはジャップ警部からの電話にすっかり夢中。例によって聞いてません。心中お察しします。探偵としては天才のポワロさんですが、社会生活は難ありの困ったおじさんといわざるを得ません。ミス・レモンが半年間も訴えていたことをまったく覚えてない上に、それをちょっと指摘したら「2人でポワロをいじめるんですか!」と被害者意識を炸裂させる始末。灰色の脳細胞はどういう思考プロセスでそんな結論を導き出したんでしょう。理解できません。
エピローグの時計プレゼントは爆笑でしたね。ポワロさんもミス・レモンも2人を見守るヘイスティングスも、言葉は最小限に表情で語るのが最高におかしい。包みを胸に抱いて帰ってくるポワロさんとそれを待ち受けるミス・レモンはニッコニコです。包みのひもをナイフで切る瞬間、2人の期待と興奮はピークに達しました。そしてポワロさんによる渾身の「ボワラ♡」
「ボワラ♡」じゃねえよ。まじで。あらためて見直してみたらヘイスティングスまで「わあ!よかったですねミス・レモン」的なメデテエ顔で微笑んでるんでまた笑っちゃいました。お前は気づけよ、ヘイスティングス。「ソレガホシカッタンデス」と、なんとか言葉を振り絞るミス・レモンが不憫でなりません。きっと意識が遠のいたでしょうね。タイプライターのことは「我慢の限界を超えてます!」っていってたけど、愚鈍なポワロさんのことは我慢し続けてるってどんだけ優しいんでしょう。現代に生きる聖母でしょうか。で、一方のポワロさんは鼻歌まじりに「私は自分の部下に理解がありすぎます」とご満悦。…なんかもう…言葉が出ないよポワロさん。
ジョアンナとハーバート
ジョアンナと彼氏のハーバートは2人とも根が明るくて真っすぐで好感が持てます。クライマックスでハーバートが駆け落ちするために工場にきたってことは、前日にファーリー社長が死んだって知らなかったんだね。そんなことって、ある?ジョアンナもハーバートもかなり抜けてる感じですが「でも、ま、いいか!」みたいな軽さが微笑ましい。応援したくなります。ジョアンナは社長になって経営を学んでいくんですかね。本人はあんまり乗り気にならなそうだけどすごく聡明だし才能ありそう。フェンシングをする姿も凛々しくてステキでした。あのときに脇でビクビクするポワロさんはひどかったなあ。運動神経ゼロなのは仕方ないけどさ、あの怯えた顔といかにも鈍そうな反応には絶望しました。ベルギーの警察時代には身体訓練もあったでしょうに。どんな風にしてやり過ごしてたんでしょう。本日のおしゃれ
懐中時計が止まって時間がわからないっていう場面がありました。その懐中時計のチェーンで前から気になっていることがあります。言葉で説明するとややっこしいので、まずは写真でポワロさんのお腹をご覧ください。チェーンはポワロさんのおへそのあたりを中心にしてW字型に分かれています。ふたつあるチェーンの端の片方には懐中時計がつながれていて、ポワロさんはいつもそれをベストの右ポッケに入れています。 もう片方は左ポッケに収まっていますが、その先になにを付けているかが謎なんです。小銭入れ?ライター?もう1個の懐中時計?それとも見た目重視で実はなにも付けてない?すーっごく気になっております。
今回のポワロさんのお召し物はほぼ全編を通してグレーの三つ揃えでした。でもずっと同じスーツだったわけではありません。色味のよく似た、平織りのものと綾織りのものとを交互にお召し替えになってたんです。ベストもそれぞれにシングルとダブルで、シルエットが違います。そんな細かい技まで使うんですかポワロさん。おしゃれが達者すぎやしませんか。
髭のお手入れをする貴重なシーンが見られたのも今回の収穫でした。いつもあの小さい櫛と小さいハサミで整えて美しいシルエットを保ってるんですね。
パイ工場の女性のユニフォームがかわいらしいのが驚きでした。白と青で清潔感もあります。末端労働者の服のデザインに目を配るファーリー社長、振る舞いは不愉快だし拝金主義者っぽかったけど、実は社員思いの優しいおじさんだったのかもしれませんね。合掌。
本日の報酬
ポワロさんはファーリー社長(に扮したコーンワージー)と会見したあとに「請求書を送れ」と指示されました。たった数分話を聞いただけで、問題を解決するどころかこれといった助言もしなかった案件で、いくらくらい請求するんでしょうね。ポワロさんの性格を考えると高額な提示をするとは思えません。利益にはならない気がします。なのにあんな不愉快な思いをさせられちゃう。探偵業って楽な商売じゃないんだなあ。自殺事件の捜査依頼はジャップ警部からでした。なので報酬はスコットランド・ヤードから支払われるわずかな額でしょう。ただ事件が解決したいま、ジョアンナからの謝礼も期待できるんじゃないかと思います。彼女にしてみれば自身の潔白を証明してくれて、とんでもない悪事を働いた身内をあぶり出してくれたポワロさんに感謝しているはずです。ジョアンナはファーリー社長の莫大な遺産を相続したわけですから、もしかするとうれしい心付けがあるかもしれませんね。
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