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#14 「コーンワルの毒殺事件」—どいつもこいつも 名探偵ポワロ

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The Cornish Mystery (28 January 1990) Hercule Poirot: DAVID SUCHET Captain Hastings: HUGH FRASER Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON Miss Lemon: PAULINE MORAN 雨に濡れる窓から物憂げに外を眺めるポワロさん。表情が暗かったのは単純にヘイスティングスのヘンテコなヨガに呆れたからでしたが、雨はしとしとと降り続き、寒々しく陰鬱な空気は最後まで引きずられます。田舎特有の閉塞感と人々の排他的な気配がそれに拍車をかけました。 このページは名探偵ポワロ「コーンワルの毒殺事件」を観た方に向けて書かれていて、事件の核心、犯人、動機、結末、オチ、ギャグなどに触れます。ですのでドラマ本編をご覧になったあとにお読みください。 「砂に書かれた三角形」 と 「エンドハウスの怪事件」 にもちょっと触れています。 このブログがはじめての方は 「ポワロと灰色の脳細胞」について からぜひ。  あらすじや解説はこちらでどうぞ。 ●名探偵ポワロ徹底解説 ●「名探偵ポワロ」データベース ●旅行鞄にクリスティ どいつもこいつもいけ好かない このエピソードが陰々滅々としている一番の理由は、コーンワルの奴らがことごとく不愉快だからでしょうね。なにがどう不愉快だったか順にご紹介していきましょう。 まずはペンゲリー夫人。姪の婚約者ラドナーを愛してしまったことも、それでいて夫の不倫は許さないことも、姪のフリーダに嫉妬して家を追い出したことも、責める気はありません。人を好きになったり憎んだりするのをコントロールできる人なんていませんから。でもフリーダが出ていった理由をポワロさんに聞かれて「わかりませんわ」と答えたり、フリーダとラドナーの関係についても「なにも!なにもありませんわ!」ってすぐにバレる嘘を平気でつく感じがすごく気持ち悪いです。本人は嘘をついてる自覚がないんだろうけど。この人、気に入らない現実は全部なかったことにして自分の妄想の世界に生きてる、ナチュラルにヤバい奴でした。「殺されそうで怖い」って一心でポワロさんに相談したっぽいけど、そうしたら自分に不都合なことも知られてしまうっていうことを想像で...

#13 「消えた廃坑」—本部から全車へ、今だ!捕まえろ! 名探偵ポワロ

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The Lost Mine (21 January 1990) Hercule Poirot: DAVID SUCHET Captain Hastings: HUGH FRASER Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON Miss Lemon: PAULINE MORAN ブーツの駒が進むと 男 の足元が映り、帽子の駒が進むと シルクハットを被った男の後姿に切り替わる。テーブル上のモノポリーと怪しげな正装の男のカットバックがたまらくかっこいいオープニング。 ポワロさんとヘイスティングスが夢中になってたモノポリーは1935年の大ヒット作だそうです。以前シャツの糊が強すぎた件で襟を折ればいいといわれたときには「このポワロが流行りに左右されるとでも?」なんて豪語してましたけど、ゲームの流行にはしっかり乗るんですね。 ヘイスティングスに大金を取られてカンカンに怒るくらい熱くなってました。「私もあなたのようにサイコロをふぅふぅ吹けばいいんですかね!」なんて声を裏返しちゃって。お札をキッチリ並べて収支をメモするのがいかにもポワロさんらしいです。あれがまさか不幸の原因になるなんて…。 このページは名探偵ポワロ「消えた廃坑」を観た方に向けて書かれていて、事件の核心、犯人、動機、結末、オチ、ギャグなどに触れます。ですのでドラマ本編をご覧になったあとにお読みください。 このブログがはじめての方は 「ポワロと灰色の脳細胞」について からぜひ。  あらすじや解説はこちらでどうぞ。 ●名探偵ポワロ徹底解説 ●「名探偵ポワロ」データベース ●旅行鞄にクリスティ 指令本部 物語に登場するいろんな要素をオーバーラップさせて、作品に一体感を持たせる演出が印象的でした。事件の引き金になった銀鉱山からはじまり、モノポリー、株式投資、カジノのギャンブルと、まさに山師的な勝負事の熱気が作品全体を覆っています。“緻密さは軍隊並み”と称されるスコットランド・ヤード指令本部もそう。無線連絡を受けながら実際の警察車両の動きに合わせてミニカーを操作する様子は、ルーレットのディーラーがチップを捌く姿とそっくりです。 この指令本部、めちゃめちゃ好きです。薄暗がりでみんな同じ服装で、テクノロジーとレトロ感が混ざり合って、 ...

#10 「夢」—Type with fury!! 名探偵ポワロ

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The Dream (19 March 1989) Hercule Poirot: DAVID SUCHET Captain Hastings: HUGH FRASER Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON Miss Lemon: PAULINE MORAN ミス・レモンが衝撃の事実を話してくれました。体の中に強い磁力があるんですって。腕時計が壊れるくらいの磁力が。サラッというから危うく聞き流しちゃうところでした。たしかに独特の雰囲気だなって思ってはいたけど、フィジカルが独特だったなんて。なにがどうなったら体から磁気が出るようになるんでしょうか。 閃きの真っ最中だったポワロさんはミス・レモンの告白なんて聞いちゃいませんでした。投げキッスとかしてる場合じゃないですよ。ちゃんと人の話を聞かないと。ヘイスティングスは「驚いたな」ってビビッドに反応してました。そういうところが好印象。素直というか聞き上手というか、相手をしっかり受け止めるんだよなあ。 このページは名探偵ポワロ「夢」を観た方に向けて書かれていて、事件の核心、犯人、動機、結末、オチ、ギャグなどに触れます。ですのでドラマ本編をご覧になったあとにお読みください 。 このブログがはじめての方は 「ポワロと灰色の脳細胞」について からぜひ。  あらすじや解説はこちらでどうぞ。 ●名探偵ポワロ徹底解説 ●「名探偵ポワロ」データベース ●旅行鞄にクリスティ   Britich Pies Lead the World 白黒フィルムのニュース映像から物語本編の映像にクロスフェードしてフワッと画面に色がつくオープニングは、このシリーズでときどき見られる演出ですね。体が一気に1930年代に吸い込まれるような感じがすごく好きです。冒頭にPathé Gazetteのロゴが出たんで、 元ネタの映像があるかもと思ってYouTubeの British Pathé を漁ってみたんだけど、見つけられませんでした。いかんせん量が多いんであきらめちゃいましたが、根気よく探せば出てくるかもしれません。  市長がオンにした巨大スイッチ、異様に幅広な3列のベルトコンベア、高層ビルの主柱と見紛うほどの極太なパイプ、なにを計ってるのかよく...

#09 「クラブのキング」—ヒッチコックを殺れ! 名探偵ポワロ

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The King of Clubs (12 March 1989) Hercule Poirot: DAVID SUCHET Captain Hastings: HUGH FRASER Chief Inspector Japp: PHILIP JACKSON まさに映画の黄金期という風情の撮影スタジオ。全景をクレーンカメラで見渡すリッチなカットにしびれます。スタジオのセットとか劇場の舞台袖とか楽屋とか、エンタテインメントの裏側が垣間見える場面があるとうれしくなっちゃうんですよね。映画界のお話だから美男美女たちの艶やかな殺人劇になると思いきや、性暴力や強請で人を支配する強者とそれに抗えない弱者という、現実に起きている悲劇を反映した、ビターな後味のエピソードでした。30年たったいまも放送当時と状況が変わっていないことを思うと、苦味は一層強くなります。 そして実在の映画人をモデルにしたキャラクターが登場するのも今作の大きな特徴です。その人選は作品のテーマと強く結びついていますが、そのお話はまたあとで…。 このページは名探偵ポワロ「クラブのキング」を観た方に向けて書かれていて、事件の核心、犯人、動機、結末、オチ、ギャグなどに触れます。ですのでドラマ本編をご覧になったあとにお読みください。 「海上の悲劇」 にもちょっと触れています。 このブログがはじめての方は 「ポワロと灰色の脳細胞」について からぜひ。  あらすじや解説はこちらでどうぞ。 ●名探偵ポワロ徹底解説 ●「名探偵ポワロ」データベース ●旅行鞄にクリスティ ジャップ警部の専用車:1937年型 Humber Snipe ジャップ警部の車がはじめて登場しました。おなじみ IMCDB によるとハンバー・スナイプだそうです。黒塗りでしっとりとしたボディライン、Snipe=キジを模したエンブレム、 逆ヒンジドア が特徴の、落ち着いた上質感が漂うサルーンです。 ヘイスティングスの美麗なラゴンダとは正反対に、実用的でいかにも公用車然とした佇まいがかっこいい。 警察車両でいえば 「なぞの盗難事件」 で活躍した1937フォードよりも断然貫禄があります。あれは一介の巡査が乗るパトカーなので、幹部の専用車と比べるのはちょっと酷ですが。 当然ショーファードリブンで、主任警部殿が自...